「怖い絵展」は、怖いのか


昨日、上野の森美術館の「怖い絵展」に行ってきたんです。 そもそも「怖い絵展」は、ベストセラー本「怖い絵」が元で実現した展覧会で、本も展示も「名画の意味を知ると、実は怖ろしい真実が隠されている」というメッセージが込められています(たぶんね)。

展覧会の解説の中で、「怖い絵」を執筆した中野京子さんは、 「日本の美術教育は『絵は見て感じなさい』『余計な知識はいらないから感覚で楽しみなさい』と教えられている。でも、そもそも絵には意味や物語、歴史があって、それを描いているのに、「それを知らなくてもいい』『ただ構図や色を楽しみなさい』と言っても、そもそも、その色自体にも意味があるのに、それはおかしいと思って怖い絵を書きました」 と、話していました。 僕はこの中野さんの言葉が、とっても腑に落ちて、「うん、うん、そうっすよね」と展覧会場でニヤつき(気持ちわるい)嬉しくなったわけです。 それは、僕が15年前くらいにヨーロッパへの一人旅で巡ったイギリスもフランスもイタリアも、美術館には多くの宗教画が飾られていました。 最初は、「おお〜これが有名な『最後の晩餐か』」とか、美術の教科書で見ていたものを生で鑑賞できる喜びがありましたが、途中から、果てしなく展示されている宗教画を見て「この絵はどんな意味があるんだろう」と、どんどんモヤモヤする気持ちになっていきました。 そして、旅の終わには「もう宗教画はいいや…」と半ば苦手な分類に置いてしまいました。 月日は経ち、それから15年くらいたった昨日、僕のモヤモヤを「怖い絵展」と中野さんの言葉が救ってくれたような気がします。 もちろん、見ただけでは意味が見えてこない作品や、見た人の想像に任せる作品もありるけど、作品のひとつの見方として絵の背景を知ることはとっても大切だとあらためて感じた昨日でした。 僕のように、この展覧会の主旨に賛同した人が多いのかはわかりませんが、それでも、行って損はない(はず)と思います。 そんな「今日のアートな1枚」でした。 スタジオへお返ししま〜す。


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