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ぼくたちの失敗(森田童子 風)


はーるの、こもれびのなかでー、きみのーやさーしさにー 新生活、田舎から京都で大学生活が始まった僕は、田舎コンプレックスに悩まされていました。 前提として、地元ではずっとサッカーをしていたのでバイトなんかできるわけもなく、服なんて買えなかったから、おしゃれとは程遠い暮らをしていました。 だから、花の都大京都のキャンパスにいる大学生がキラキラまぶしくてしょうがなかったんですよね。 反面、自分を見たらダサくてカッコ悪くて、とても恥ずかしく感じていました、いわゆる自意識過剰ですね。 振り返ると、別にまわりの全員がおしゃれなわけじゃなかったけど、「田舎から出てきた劣等感」をヒシヒシと感じていたわけです。 「お前、田舎者だな」って思われる恐怖から、僕はバイトをしては稼いだお金をほぼ服代にしていました。 当時、どんな格好をしていたかは覚えてないけど、なぜか「デニムを履くのはダサい」と思い、黒いパンツとか履いてました(それこそダサい)。 おそらくデニム=カジュアル、カジュアル=田舎者と頭の中で組み込まれていたようで、頑なにデニム履いてなかったなー。 そんな劣等感から僕は服を買いまくり、僕はいつしか周りでは「おしゃれに気を使う人」になっていました。 でも、もともと服で着飾るセンスはないので、たまに様子のおかしいファッションをしていました。 ここで、様子がおかしかったファッションの一部を紹介します(誰も興味ない) 商品No.1「黒いロングコート」 当時、茶髪にしてウールのロングコートを羽織り、革靴を履いていたので、正月実家に帰った時に「ホストか」と親戚にツッコまれました。 商品No.2「スケルトンの厚底サンダル」 尖ったデザインが気に入って、即購入。気に入って履いてたけど、よく考えたら185㎝もある大男が、さらに厚底でデカくなるなんて気持ちわるさ満載(どこ目指してるんだよ)。それにシースルーって……水泳バッグか。 商品No.3「紙袋の旅行カバン」 当時、ブランドの紙製バッグ(ショッパー)をサブバッグとして使うことが流行っていたので、僕は何を思ったのか、ユナイテッドアローズの大きな紙バッグだけで旅行に行きました(どうしようもない)。 パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンの4大コレクションも顔負けのスタイリングをしていた大学時代。その頃の写真を振り返ると(振り返らないけど)、笑いをこらえるのが必死ではないでしょうか(人ごと)。 前衛的なファッションをしてた僕も服の失敗を繰り返すことで、どんどんシンプルなスタイリングが自分に似合う(かどうかはわからないけど)と気づきます。大学の学年が進むにつれて、白シャツにデニムとか、かなりシンプルになり、服だけじゃなく、舞台やライブ、映画や旅行など体験することを好むようになり、趣味のバランスが取れていきました。 田舎者と呼ばれることをきらい、その恐怖から自分の身を繕っていた僕は、大学を卒業後「なんか服好きそうだからアパレル会社に行ってみれば?」と話すゼミ教授のアドバイスを鵜呑みにして、本質的なことも知らずにアパレルへの道に進んでいったのでした。 いま考えたら、とても自意識過剰であり、思えば京都に集まる大学生は地方から出てきた人が多かったから、そんなに気を張らなくてもよかったんだけどね。 次回は、「フナヨセ、社会人になって迷走するってよ」(公開未定)をお届けします。


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