映画と残りの人生
幼い頃に見た映画を思い出した。
確か小学4年生くらい、金曜ロードショーみたいな番組で見た映画で、ストーリーは全然覚えてないんだけど、クライマックスは、炎に包まれた人造人間の女性が主人公に向かって「お前たち人間は必ず死ぬんだ」と言っていたことは覚えている。
このシーンを見て僕は「そうか、僕もいつかは死ぬんだ」と、生まれて初めて自分の死を考え、あまりに怖くなってしまった。
最近、よく思うことがある。
それは自分が生きる時間は限りある、ということ。
もうすぐ(といってもまぁ、数年あるけど)40歳を迎える僕は「バリバリ動けるのが60歳までだとすると、あと20年しかないんだよなー」なんて思うわけで。
そう思う度に、焦るわけでもないけど(焦れよ)、「それなら好きなことやらなきゃ」って気持ちになる。
来る日も来る日も「早く仕事終わらないかなー」なんて思いながら、言い訳ばかりでしのいできた20代。当時は自分の気持ちなんてそっちのけ、愛想笑いを駆使し、やりたくもない仕事でも「頑張ります!」なんて見え透いたウソをついていた(バレバレ)。
そんなくだらない(ような)時間をたっぷりと費やした僕は、ある日を境にそんな自分に嫌気がさし、その途端に体を壊し、心も壊し、人生に挫折し。
それで得たもの。
それは「誰かの人生ではなく、自分の人生を生きる大切さ」のような気がする。
もちろん、今だって「今、誰かの人生に引っ張られてるなー」なんてこともあるけど、20代の自分が反面教師だったのか、以前よりは自分の人生を歩めているんじゃないかな。
幼い頃見た映画のワンシーン。
人造人間の女性の「お前たち人間は必ず死ぬんだ」という言葉。
今なら「そんなの知ってるよ、だから楽しく生きるんだ」と(胸を張って)言いたい。
そんな気持ちになった夏本番の夜。
それにしても、ビールが美味しい季節だな(どうでもいい)。